犯罪・刑事事件の解決事例
#財産分与

離婚時の夫の現有財産の1/2を大きく上回る財産分与

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北神 英典 弁護士が解決
所属事務所法律事務所横浜きぼうの杜
所在地神奈川県 横浜市中区

この事例の依頼主

50代

相談前の状況

ある女性の依頼で、一部上場企業の役員を務める夫との間で、離婚の条件をめぐって交渉しました。依頼者の女性は、結婚以来30年以上にわたって夫から言葉の暴力を浴び続け、うつ状態になっていました。夫から離婚を迫られ、私の法律事務所に駆け込んできました。女性は離婚に応じることに異存はありませんでした。最大の焦点は財産分与でした。ご夫婦はともに50歳後半。夫の年収は、役員報酬や株式の配当などで2000万円を超えていました。一方専業主婦の女性には、収入はありませんでした。

解決への流れ

離婚を迫られた後、女性は自宅を出て、夫が所有する東京都心のマンションで一人暮らしをしていました。夫からはひと月50万円の婚姻費用を受け取っていました。離婚に応じてしまえば、月50万円の婚姻費用はもらえなくなります。子供は成人し独立していました。損得勘定だけで考えると、すぐに離婚に応じるよりも、ゆっくり時間をかけて交渉し、条件を引き上げた方が得と考えられるケースでした。そこで1年半ほどかけてじっくりと交渉し、時価4000万円のマンション、外車、2000万円の現金という財産分与と、1/2の年金分割を受けることで離婚が成立しました。財産分与の総額は、離婚時における夫の現有財産の1/2を大きく上回るものでした。

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北神 英典 弁護士からのコメント

比較的いい条件で離婚ができた原因は、夫がお金に細かくない性格であったことと、女性が、夫の銀行口座や所有株式、収入をすべて把握していたことがありました。女性は、過去数年分の夫の確定申告書の写しや、通帳、証券会社、生命保険会社からの通知書の写しを持っていました。それらから、夫の財産関係を概ね丸裸にすることができました。それだけではありません。夫が、自分たちの娘くらい年齢の複数の女性と性関係があることを裏付ける携帯電話のメールの写真、興信所の浮気調査報告書も入手していました。豊富な証拠があったからこそ、条件の上積みも比較的容易に獲得することができたといえます。離婚が成立した今、女性は、すっかり自分を取り戻し、イキイキと生活されています。納得できる条件で離婚をするためには、相手の収入や行動の証拠をがっちり把握することが必要であるという真実を地で行くような離婚だったといえるでしょう。