犯罪・刑事事件の解決事例
#不倫・浮気 . #慰謝料

夫の不貞につき、水面下で証拠収集を行い、夫と不倫相手が不貞関係を否認するも400万円の慰謝料請求が認められた事例

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小沢 一仁 弁護士が解決
所属事務所インテグラル法律事務所
所在地東京都 千代田区

この事例の依頼主

40代 男性

相談前の状況

夫の帰宅が以前よりも明らかに遅くなり、携帯電話を自宅内でも常に持ち歩くようになった。ほかに女性ができたのだと思うけれども証拠がない。探偵を雇うのも高額の費用がかかるため難しい。何とか不倫の事実を明らかにし、離婚と慰謝料を請求することができないかというご相談をいただきました。

解決への流れ

夫は、帰宅が遅くなる理由をいろいろと説明していました。その内容は、もっぱら仕事の都合ということでした。嘘の理由を述べている可能性があることから、依頼者に、夫の手帳を確認してもらい、写しをとってもらうようお願いしました(携帯電話にはパスワードがかかっていたので、内容を確認することができませんでした)。すると、手帳に記載された仕事内容と、夫が述べている仕事の内容が異なることがわかりました。そこで、依頼者にはさらに、夫の定期入れ、名刺入れ等日頃持ち歩くものの中身を確認してもらいました。すると、手帳とは別管理をしている予定表らしきものが見つかりました。その内容は、女性と会う予定を記載したと思われるものでした(はっきりとは書いてありませんでしたが、これまでの経緯に照らし、そうとしか考えられない内容でした)。今後予定されている会う場所の中に、比較的近いところがありましたので、依頼者に現地に確認に行ってもらいました。その結果、夫がうそをついて女性と会っていること、女性との間で不貞関係があることが明らかになりました。依頼者は感情的になっており、その場で夫と不倫の相手方を問い詰めようとしましたが、それでは過去の証拠が隠滅される可能性があるので、その場は自宅に戻ってもらい、代わりに夫の過去の手帳等を調べるように指示しました。その結果、夫はこの女性と数年間にわたり、比較的頻繁に関係を持っていたことがわかりました。依頼者が夫を問い詰める際には、事前にICレコーダーを準備してもらい、会話を録音するようにしてもらいました。その会話で、夫が長年にわたる不貞の事実を認めました。その後、離婚の話し合いをしましたが、夫は離婚に応じず、また、不貞の事実も否定するようになりました。そこで、これまでに収集した証拠を夫に突きつけたところ、夫は離婚に応じました。また、夫はその場で400万円の慰謝料を支払うことに応じました(事案に照らし、仮に裁判になったとしても、400万円の慰謝料の請求は認められない可能性が高かったです)。しかし、口だけではいくらでも支払うということができますから、この合意の内容を直ちに公正証書にさせました(公正証書を作成すれば、将来相手方が慰謝料を支払わなかったときには、裁判をせずに直ちに強制執行をすることができます)。上記の結果、公正証書作成から約1か月で、400万円の支払いを受けることができました。

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小沢 一仁 弁護士からのコメント

夫婦間では、いくら相手方に対して不信感を持っていても、どこかで信頼してしまい、相手方が口にしたことを書面化せず、また、録音したりすることもせずに信じてしまうことがあります(これがのちに裏切られて、さらに大きなトラブルに発展してしまうこともあります)。しかし、夫婦間のトラブルを含め、どんなトラブルにおいても、最終的に訴訟に至った場合にもっとも重要なのは証拠の有無です。相手方がこちらの意図に築いてしまってからでは証拠収集がしにくいので、相手方を追求したい気持ちは抑えて、まずは証拠収集に励むべきだと思います。本件事例は、その中でもかなりうまくいったものであり、必ずしも本件事例のようにことが進むとは限りませんが、相手方の不貞が疑われる場合や、そのために離婚を希望される方は、ご自身の判断で動かず、弁護士に事前に相談された方がよいと思います。