この事例の依頼主
30代 女性
相談前の状況
生活費の不足からカードのキャッシングやリボ払いを利用するようになり、債務額がなかなか減らない状況が続いていました。複数の消費者金融を利用するようになると、徐々に自転車操業の状態となり、利息の返済で精一杯という状態になってしまいました。負債は約300万円で、所得額に照らすと、分割の返済も難しい状況でした。毎月のように返済は遅れ、業者からの電話連絡がやまず、精神的にも疲労していました。依頼者は、何とか借金問題を解決したいとの思いで、当職のところへ相談に来ました。
解決への流れ
当職にて受任後、まずは貸金業者などに弁護士名で介入通知を送付しました。依頼者本人への請求はぴたりとやみ、依頼者は精神的な安定を取り戻しました。債権調査によると、負債は利息などを入れて約320万円と判明しました。毎月の手取約15万円の所得での返済は困難と解されたため、自己破産手続をとることにしました。自己破産手続のため、約3か月をかけて、公的な必要書類に加え、家計表などの提出書面をまとめました。また、ETCカードやガソリンのカードなど、今まで何気なく使用していた信用取引をやめ、現金での支払いとしました。裁判所に破産申立をすると、同時廃止の事件として受付されました。裁判官との面談後、破産手続は開始とともに廃止され、2か月後には免責決定が出されました。この免責決定が確定したことで、債務の支払い義務はなくなりました。
現実的な生活再建方法として、自己破産手続を選びました。依頼者の協力もあり、受任からそれほど時間がかからずに裁判所への申立まで進めたものと認識しています。自己破産のために家計表を作成することになりますが、この作業を通じて、依頼者は自身の無駄な支出を把握することもできたようでした。今後の再建のために、有益な手続になったものと思われます。弁護士費用は法テラスを利用して、約20万円でした。毎月5,000円の分割返済を行ってもらいました。