この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
ご相談者は、会社員の50代男性です。突然、妻が子供を連れ家を出て、間髪をいれず離婚調停を申し立ててきました。夫は当初理由も分からず、今後の対応方法についてもどうすべきか、途方に暮れておられる状況でした。
解決への流れ
ご相談者は、悲しみをどこにぶつけてよいか分からず非常に困惑しておられました。また、日々の仕事をこなしながらこの問題に向き合わなければならないことも、ご相談者の大きな負担となっていたでしょう。時に感情を露わにし、泣き出すこともありました。弁護士としてご相談者と向き合い、これまで家庭で起こったことを詳細にうかがいました。詳細を私に伝えるその過程で、ご相談者は妻の気持ちも理解するようになりました。直ちに同居を再開することはかないませんでしたが、ご相談者の変化により、妻側も離婚ではなく、しばらく別居して様子をみることに落ち着きました。
このように、夫が妻から突然の離婚通告を受けるケースは、実は珍しくありません。妻は周到に離婚の準備をしていますが、夫は全く気付いていません。そのような場合、「これまでの何が離婚を決意させるに至ったのか」という点から考えることが必要です。時に、「理由はさっぱり分からない」と仰る方がおられるのも事実です。お話を進めるなか、相談中に泣かれる女性の方は多いですが、このような時に泣きたい気持ちは男性も同じです。プライドや人間関係が邪魔をして、身近な人には打ち明けることができなかったことは、「弁護士という他人」には安心してお話ください。気持ちを誰かにぶつけることは、第一歩を踏み出す上でとても重要です。