この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
この事件は依頼者が2名の事件でした。相当な長時間労働の職場でしたが、ある時期までタイムカードが導入されておらず、労働時間の客観的な記録が一切無いという状況でした。
解決への流れ
依頼者の方々は、いずれは残業代を請求したいと考えて、ご自身で毎日の労働時間のメモを作成していました。そこで、訴訟ではこのメモを根拠として残業代を計算して請求しました。会社側はこのメモの記載内容の信用性を争い、反証として会社建物への出入りのセキュリティの記録等を出してきました。たしかに会社のセキュリティ記録と依頼者作成のメモを突き合わせてみると、それなりに不一致の日が出てきたのですが、さらにつぶさに分析してみると、不一致の日は決して多くはないうえに、不一致の程度も合理的に説明できる範囲のものでした。そこでこの点を詳細かつ丁寧に分析して説明する書面を提出した結果、裁判所の理解を得ることができて、納得のいく和解に持ち込むことができました。
証拠が本人作成のメモだけという厳しい状況からのスタートでしたが、詳細な主張と立証を積み重ねることで、最後は裁判所に理解をしてもらうことができました。この件は御本人の作成したメモの精度が相当に高かったことも良い結果に影響したと思います。