この事例の依頼主
30代 女性
Iさんは、もともと買い物が好きで、学生の頃からアルバイトでためたお金でブランド物をよく購入していました。大学を卒業した後は、自由に使えるお金が増えたことから、買い物に使う金額が大きくなっていきました。就職してしばらくすると、現金だけで買い物をしていると欲しいものがあった時にすぐに買えないことが出てきたため、クレジットカードのショッピング枠で買い物をするようになりました。クレジットカードは月1万円からのリボ払いであったため、負担感が大きく軽減しました。そのため、Iさんはさらに気が大きくなり、カードでの買い物を楽しむようになりました。そうするうち、カードの利用残高は50万円→100万円→200万円→300万円→400万円と雪だるま式に増えていきました。毎月の支払も、1万円→2万円→4万円→6万円→8万円という具合にどんどん大きくなりました。最後は、消費者金融からの借入も利用するようになったIさんですが、給与の手取りは20万円程度、毎月の支払が10万円程度になり支払は限界に達しました。このままでは、借金を返すためだけに仕事をしているような状態になることに気が付き、家族とも相談して、借金を整理したいとして当事務所に相談に来られました。
Iさんは、正社員として仕事をしていたため、全く支払いができないわけではありませんでしたが、借金を完全になくして、一からスタートしたいとして破産手続きを希望されました。Iさんの債務の原因は、浪費といえるもので、破産手続き上免責が認められない可能性がある状況でした。しかし、Iさんの年齢・正社員として仕事をしていること・債務は10年の間で徐々に大きくなっていったもので短期間に利用を積み重ねたとまでは言えないこと・債務額も極端に大きいとまでは言えないこと等を踏まえると、適切に手続きを進めれば破産・免責は認められると判断できました。そこで破産手続きを進めることにし、資料を収集して申立を行った結果、無事破産・免責が認められました。
浪費によって増えた債務を破産手続きで解決した事案です。借入の原因が浪費である場合、破産する上で免責不許可事由があるとして、免責が認められないことがあります。そのため、浪費が原因で支払が厳しくなったという場合、免責不許可事由を考慮しなくていい個人再生手続を選択する場合があります。一方、免責不許可事由が大きいとまでは言えない場合は、本件のように破産手続きを選択する場合もあります。どの手続きが最適であるかは、債務の状況、ご相談に来られた方のご希望等により個々に異なります。債務の支払いが苦しくなってきてどのように整理したらいいか悩んでいるという方は、当事務所に一度ご相談いただければと思います。