この事例の依頼主
女性
相談前の状況
依頼者は、20代の女性でした。クリニックで勤務をしておりましたが、試用期間が半分くらい経過したところで、「このままだと本採用をすることはできない。給与は、20%ほど下がるが、別のクリニックであれば勤務を続けさせてあげられる」と言われ、どのようにしたらよいのかわからず、当職に電話相談がありました。
解決への流れ
当職は、「そのような減給は一方的にすることはできないので受け入れる必要はない」という話をしたところ、それを依頼者は、その旨をクリニックの責任者に伝えました。そうしたところ、「こっちも弁護士を入れるから弁護士に受任通知を遅らせろ」という対応でした。当職が依頼者から正式に依頼を受けて、受任通知を送ったところ、クリニック側は、本採用拒否(解雇通知)を当職に送ってきました。あまりにも理不尽な対応であったことから、依頼者と相談の上で労働審判を申し立てることにしました。労働審判では、試用期間中であるといっても、①客観的かつ合理的な理由もないし、②相当性もないということで、解雇は無効であるという判断をしてくれました。クリニック側も、和解に応じるということでしたので、250万円(約7か月分)の解決金を支払ってもらうことで合意退職をするということにしました。
試用期間については、皆さん誤解があるようで、試用期間中は、会社側はいつでもクビを切れると誤解をしているケースがよくみられます。試用期間中であっても、簡単にクビを切ることはできません。試用期間中に「本採用することはできない!」と言われた場合には、まず、弁護士に相談をすることをお勧めします。本採用拒否というのは、「解雇」です。企業側の論理で一方的にできるわけではないということを理解をする必要があります。